【税理士試験】消費税法15(課税売上割合の著しい変動)

はじめに

こんにちは、私は今、税理士試験の勉強をしています。

皆さんもこれから勉強を始める方、既にはじめていらっしゃる方なのかと思います。

定期的に学んだことをアウトプットしていきたいと思いますので、皆さんも一緒に頑張りましょう!

よければ定期的に覗きに来てください。

課税売上割合の著しい変動

消費税の仕入れ税額控除は原則として、仕入れた課税期間に全て控除することとなっています。購入時即時控除とも言われますね。

ただ、固定資産のように、長期にわたり使用されるものについては、もし課税売上割合が著しく変動した場合には、仕入れ時のみで完結させることは、適切な方法とは言えません。

そこで、一定の固定資産(調整対象固定資産)について、仕入れに係る消費税額を調整することとしています。

調整対象固定資産

(1)定義

調整対象固定資産の定義は以下のとおりです。固定資産であり、課税仕入れ、税抜き、100万円以上が対象です。

棚卸資産以外の資産で建物、構築物、鉱業権その他の資産のうち、次の金額が一の取引単位につき、100万円以上のもの

  • 課税仕入れに係る支払対価の額の110分の100に相当する金額
  • 特定課税仕入れに係る支払対価の額
  • 保税地域から引き取られるその資産の課税標準である金額

一の取引単位とは、最小購入単位のことです。セット売りされているものについては、1セットが該当になります。

(2)具体的範囲

以下の課税仕入れの固定資産が該当となります。

  • 建物、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、器具及び備品
  • 鉱業権、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、育成者権、著作権等
  • ゴルフ場利用株式等、預託金方式のゴルフ会員権
  • 電気ガス供給施設利用権等
  • 回路配線利用権
  • 課税資産を賃借するために支出する権利金等
  • ソフトウェアの購入費用又は他の者に委託した際の開発費用
  • 書画、骨とう
  • 上記の資産に係る資本的支出

土地の造成、改良のために要した課税仕入れに係る支払対価の額のように、調整対象固定資産に該当しない資産に係る資本的支出は、調整該当固定資産に該当しません。基本的には、問題文で指示があります。

調整対象固定資産の判定

計算を行い、判定を行います。

(1)課税仕入れに係る調整対象固定資産

課税仕入れに係る支払対価 ✖️(100/110) = ◯◯円 ≧ 1,000,000円 ∴ 調整対象固定資産に該当する

(2)特定課税仕入れに係る調整対象固定資産

特定課税仕入れに係る支払対価 ◯◯円 ≧ 1,000,000円 ∴調整対象固定資産に該当する

(3)課税貨物に係る調整対象固定資産

課税貨物に係る

課税標準である金額 ◯◯円 ≧ 1,000,000円 ∴調整対象固定資産に該当する

資産購入のために要する引取運賃、荷役費等の付随費用は「支払対価」に含まれません。

課税売上割合の著しい変動

課税売上割合が著しく変動した場合の消費税額の調整

次の4つの要件に該当する場合には、その第3年度の課税期間(当期)における本来の仕入れの消費税額に調整税額を加減算し、調整を行います。

(仕入れ等の課税期間の要件)

(1)課税事業者が調整対象固定資産の課税仕入れ若しくは特定課税仕入れ又は課税貨物の引き取りを行なっていたこと。

(2)その仕入れ等の課税期間において、比例配分法による税額計算を行なっていたこと

(第3年度の課税期間の要件)

(3)第3年度の課税期間の末日において、その調整対象固定資産を保有していること。

(4)第3年度の課税期間における通算課税売上割合が仕入れ等の課税期間における課税売上割合に対して、著しく変動していること

比例配分法とは、課税売上割合を乗じて計算することをいい、具体的には、個別対応方式の共通部分の計算と一括比例配分方式のことを言います。

課税仕入れ等の税額の全額控除がされている場合には、比例配分法により税額計算している場合と同様に取り扱います。

第3年度の課税期間とは、仕入れ等の課税期間の開始の日から3年を経過する日の属する課税期間を言います。そのため、前々期に仕入れを行なった場合が対象となります。

計算

(1)調整税額の計算

①調整対象基準税額

まずは、調整の対象となる基準の税額を求めます。

・課税仕入れに係る支払対価✖️7.8/110 (旧税率の場合は、6.3/108)

・特定課税仕入れに係る支払対価✖️7.8%(旧税率の場合は、6.3%)

・課税貨物に係る消費税額

②仕入れ時の控除税額

調整対象基準税額✖️仕入れ時の課税売上割合

③通算課税売上割合による控除税額

調整対象基準税額✖️通算課税売上割合

④調整税額

 ②と③の差額

(2)控除対象仕入税額の調整

通常の控除対象仕入税額の計算課程の中で行います。「個別対応方式」か「一括比例配分方式」のいずれか有利な方を選んでから、その額に調整税額を加減算します。

(3)控除過大調整税額

著しい減少の調整があって、仕入れに係る消費税額から控除しきれない金額は、課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなして、その第3年度の課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算する。

著しく変動した場合

著しい変動の判定

次の(1)、(2)の両方を満たす場合を著しく変動している場合として、調整を行います。

(1)変動差

仕入時の課税売上割合と通算課税売上割合との差 ≧ 5%

(2)変動率

変動差/仕入時の課税売上割合 ≧ 50%

仕入れ時の課税売上割合

仕入れ時の課税期間の課税売上割合は、次の算式により計算する。

仕入れ等の課税期間の課税売上高/(仕入れ等の課税期間の課税売上高+仕入れ等の課税期間の非課税売上高)

通算課税売上割合

通算課税期間中の課税売上高/(通算課税期間中の課税売上高+通算課税期間中の非課税売上高)

※通算課税期間とは、仕入れ等の課税期間から、第3年度の課税期間(当期)までの各課税期間のことです。

相続等により事業を承継した場合

相続、合併又は分割により承継した調整対象固定資産について、その承継をした者において、「著しい変動」が生じた場合には、「著しい変動」の処理を行います。

終わりに

いかがだったでしょうか。皆さんの参考になれば幸いです。これからも一緒に勉強を頑張りましょう!

税理士試験の学習は、TACさん、大原さんに通う方が多いのではないかと思います。

定期的に通学したい方は、上記の予備校に通うのがおすすめです。

最近では、Web上のみで安価に学習を提供するサービスも存在します。

自分のペースを作って怠けずに学習できる方はそれらのサービスを使うのもおすすめです。以下、Web上での学習サービスで有名なSTUDYINGです。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です