【税理士試験】消費税法計算方法まとめ

はじめに

こんにちは、私は今、税理士試験の勉強をしています。

皆さんもこれから勉強を始める方、既にはじめていらっしゃる方なのかと思います。

定期的に学んだことをアウトプットしていきたいと思いますので、皆さんも一緒に頑張りましょう!

よければ定期的に覗きに来てください。

納税義務の有無の判定

納税義務の判定

基準期間における課税売上高 > 1,000万円 ∴納税義務あり

基準期間における課税売上高 ≦ 1,000万円 ∴納税義務なし

基準期間における課税売上高

①個人事業者、基準期間が1年である法人

基準期間における課税売上高 = 課税売上高(税抜) ー 課税売上返還等(税抜)

(1)課税売上高(税抜)

国内課税売上高(税込)✖️100/110 + 免税売上高

(2)課税売上返還等(税抜)

国内課税売上返還等(税込)✖️100/110 + 免税売上返還等

②基準期間が1年でない法人

上記の課税売上高を年換算する(✖️12/基準期間の月数)

基準期間が免税事業者であった場合

税抜処理は行わない

課税標準額

低額譲渡

(1)適用対象取引

法人が資産をその社の役員に対し著しく低い価額により譲渡した場合(法人のみ適用)

(2)著しく低い価額の判定

①棚卸資産以外の資産の場合

譲渡時の価額 ✖️50% > 譲渡金額  ・・・ 50%未満

②棚卸資産の場合

仕入価額 > 譲渡金額 ・・・ 仕入未満

又は

通常の販売価額 ✖️ 50% > 譲渡金額 ・・・ 50%未満

定額譲渡の場合の課税標準額に参入すべき金額

譲渡時の価額(通常時の販売価額)

みなし譲渡

(1)適用対象取引

①個人事業者が棚卸資産又は棚卸資産以外の事業用資産を家事のために消費又は使用した場合

②法人が資産をその社の役員に対して贈与した場合

(2)課税標準額に参入すべき金額

①棚卸資産以外の資産の場合(固定資産)

譲渡時の価額

②棚卸資産の場合

通常の販売価格✖️50%か、仕入価額のいずれか大きい金額

課税標準額に対する消費税額

課税売上割合

(1)課税売上高(分子・分母)

①総課税売上高(税抜)

国内総課税売上高(税込)✖️100/110 +免税売上高

②課税売上返還等(税抜)

国内課税売上返還等(税込)✖️100/110 +免税売上返還等

③純課税売上高(税抜)

①ー②

③> 500,000,000の場合は按分必要

③≦ 500,000,000の場合は、課税売上割合によって按分要否が決まる

(2)非課税売上高(分母のみ)

①株式等の譲渡対価✖️5% + その他の非課税売上高

②非課税売上返還等

③ ①-②

(3)課税売上割合

(1)/(1)+(2)

課税売上割合≧95%で、課税売上高が5億円を超えるの場合は、仕入税額は全額控除

課税売上割合<95%の場合は、按分必要

非課税資産の輸出

①課税事業者が国内において「非課税資産の譲渡等」のうち「輸出取引等」に該当するものを行った場合において、輸出取引等に該当するものであることにつき証明がされたときは、課税資産の譲渡等に係る輸出取引等に該当するものとみなして「仕入税額控除の規定」を適用する

②計算上の処理

(1)課税売上割合の計算

「非課税資産の輸出売上高(=非課税売上げ)を「免税売上げ」とみなして計算する。計算上は次の算式で計算する

課税売上割合 = (課税売上高+非課税資産の輸出売上高)/(課税売上高+非課税売上高)

(2)課税仕入れ等の区分

個別対応方式の場合、非課税資産の輸出に係る「仕入れに係る消費税額」は本来B対応であるが、これをA対応に区分することにより、すべて控除できるようにする。

③非課税資産の輸出の具体例

(1)非課税資産(身体障害者用物品など)の輸出

(2)国外の者(非居住者)に対する貸付金等に係る受取利息

(3)国外の金融機関(非居住者)への預金等に係る受取利息

(4)外国債に係る受取利息

④適用除外

課税売上割合を恣意的に操作することを防ぐために、「有価証券」、「支払手段」、「金銭債権」の輸出には「非課税資産の輸出」の規定は適用されない

資産の国外移送

①課税事業者が国外における資産の譲渡等又は自己の使用のため、資産を輸出した場合において、輸出されたことにつき証明がされた時は、課税資産の譲渡等に係る輸出取引等に該当するものとみなして「仕入税額控除の規定」を適用する。

②計算上の処理

(1)課税売上割合の計算

国外移送は、販売ではないため、「売上金額」が存在しない。このため、その代わりの適正な金額である「本船甲板渡し価格」を用いて課税売上割合を計算する。すなわち、「本船甲板渡し価格」を「免税売上げ」とみなして計算する

課税売上割合 = (課税売上高 + 本船甲板渡し価格)/(課税売上高 + 非課税売上高 + 本船甲板渡し価格)

(2)課税仕入れ等の区分

国外移送に係る課税仕入れ等 → 「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」として区分

③国外移送の具体例

(1)国外支店において使用するための事務機器等をその支店あてに輸出する場合

(2)国外支店において販売するための商品等をその支店あてに輸出する場合

④適用除外

非課税資産の輸出と同様に「有価証券」「支払手段」「金銭債権」の輸出には「資産の国外移送」の規定は適用されない

控除対象仕入税額

基本的なパターン

(1)課税資産の譲渡等にのみ要するもの

①課税仕入れ

②課税貨物

③仕入返還等

④引取還付

(2)その他の資産の譲渡等にのみ要するもの

(3)共通して要するもの

個別対応方式

控除対象仕入税額 = A対応の課税仕入れ等の税額 + C対応の課税仕入れ等の税額 ✖️ 課税売上割合

一括比例配分方式

控除対象仕入税額 = (A対応の課税仕入れ等の税額 + B

対応の課税仕入れ等の税額 + C対応の課税仕入れ等の税額)✖️課税売上割合

仕入れに係る対価の返還等の具体的範囲

No項目PLの表示箇所備考
1仕入返品仕入からの直接控除項目
2仕入値引仕入からの直接控除項目
3仕入割戻仕入からの直接控除項目
4仕入割引営業外収益の項目課税仕入に係る対価をその支払い期日よりも前に支払ったこと等を基因として支払いを受けるもの。一般的には買掛金の一部を決済時に減額される場合が多い
5販売奨励金事業者が販売促進の目的で販売奨励金等の対象とされる課税資産の販売数、販売高等(仕入金額に応じて)に応じて取引先から金銭により支払いを受けるもの。リベート(仕入割戻)と同義である。
6事業分量配当金

棚卸資産に係る消費税額の調整

免税事業者が新たに課税事業者となった場合

①当課税期間から新たに課税事業者となった場合において、前課税期間の末日に有する期末棚卸資産(当期首棚卸資産)のうち、納税義務が免除されていた期間中に行った課税仕入等に係る消費税額は、その新たに課税事業者となった課税期間の仕入れに係る消費税額の計算の基礎となる「課税仕入れ等の税額」とみなす。

(1)適用対象事業者

免税事業者から新たに課税事業者となった者

(2)適用対象資産

前期に限らず、前期以前で納税義務を免除されていた期間中に行った棚卸資産の課税仕入れ等のうち、前期課税期間末に有するもの(=当期首棚卸資産)につき処理を行う

②調整税額

前課税期間未棚卸資産の課税仕入れの金額✖️7.8/110(※)

前課税期間未棚卸資産の課税貨物の金額✖️7.8/110(※)

※旧税率や軽減税率の場合は、その税率

計算パターン

棚卸資産の調整は税額による調整である(課税仕入れ等の金額そのもので調整しない)

(1)課税資産の譲渡等にのみ要するもの

①課税仕入れ

②期首棚卸資産の調整

③課税貨物

④仕入返還等

⑤引取還付

・・・

課税事業者が新たに免税事業者となった場合

①翌課税期間から納税義務を免除されることとなった場合において、当課税期間の末日に有する期末棚卸資産のうち、当課税期間中に行った課税仕入れ等に係る消費税額は、その課税期間の仕入れに係る消費税額の計算の基礎となる「課税仕入れ等の税額」に含めない

(1)適用対象事業者

課税事業者から新たに免税事業者となる者

(2)適用対象資産

前期以前のものは関係なく、当課税期間中に行った棚卸資産の課税仕入れ等のうち、当課税期間の末日において有するもの(=期末棚卸資産)につき処理を行う

②調整税額

当課税期間末棚卸資産の課税仕入れの金額✖️7.8/110(※)

当課税期間末棚卸資産の課税貨物の金額✖️7.8/110(※)

※軽減税率が適用される場合はその税率による

計算パターン

棚卸資産の調整は税額による調整である(課税仕入れ等の金額そのもので調整しない)

(1)課税資産の譲渡等にのみ要するもの

①課税仕入れ

②期首棚卸資産の調整(控除額からマイナスする額)

③課税貨物

④仕入返還等

⑤引取還付

・・・

調整対象固定資産

(1)定義

棚卸資産以外の資産で建物、構築物、鉱業権その他の資産のうち、次の金額が一の取引単位につき100万円以上のものをいう

①課税仕入れに係る支払対価の額の110分の100に相当する金額

②特定課税仕入れに係る支払対価の額

③保税地域から引き取られるその資産の課税標準である金額

課税売上割合の著しい変動

次の4つの要件に該当する場合には、その第3年度の課税期間における「本来の仕入れに係る消費税額」に「調整税額」を加減算し、調整する

【仕入れ等の課税期間の要件】

(1)課税事業者が「調整対象固定資産」の課税仕入れ若しくは特定課税仕入れ又は課税貨物の引き取りを行なっていたこと

(2)その仕入れ等の課税期間において「比例配分法」により税額計算を行なっていたこと

【第3年度の課税期間の要件】

(3)第3年度の課税期間の末日において、その調整対象固定資産を保有していること

(4)「第3年度の課税期間における通算課税売上割合」が「仕入れ等の課税期間における課税売上割合」に対して著しく変動していること

計算

(1)調整税額の計算

①調整対象基準税額

イ課税仕入れに係る支払対価✖️7.8/110

ロ特定課税仕入れに係る支払対価✖️7.8%

ハ課税貨物に係る消費税額

②仕入れ時の控除税額

調整対象基準税額 ✖️ 仕入れ時の課税売上割合

③通算課税売上割合による控除税額

調整対象基準税額 ✖️ 通算課税売上割合

④調整税額

 ②と③の差額

(2)控除対象仕入税額の調整

通常の控除対象仕入税額の計算課程の中で行う。この場合、「個別対応方式」「一括比例配分方式」のいずれか有利な方を選んでから、調整税額を加減算する。

①個別対応方式

②一括比例配分方式

③①と②の有利選択

④調整対象固定資産の判定

⑤著しい変動の判定

⑥調整税額の計算

⑦控除対象仕入税額

 イ 著しい増加の場合・・・③+⑥

 ロ 著しい減少の場合・・・③ー⑥

(3)控除過大調整税額

著しい減少の結果、「仕入れに係る消費税額」から控除しきれない金額は、課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなして、その第3年度の課税期間の「課税標準学に対する消費税額」に加算する。

※なお、金額の記載は、申告書の「控除過大調整税額」の欄で行う。

著しく変動した場合

①著しい変動の判定

次の(1)と(2)の両方を満たす場合を「著しく変動している場合」とし、調整を行う。

(1)変動差

「仕入れ時の課税売上割合」と「通算課税売上割合」との差 ≧ 5%

(2)変動率

「仕入れ時の課税売上割合」と「通算課税売上割合」との差/仕入れ時の課税売上割合 ≧ 50%

②仕入れ時の課税売上割合

仕入れ等の課税期間の課税売上高/(仕入れ等の課税期間の課税売上高+仕入れ等の課税期間の非課税売上高)

③通算課税売上割合

通算課税期間中の課税売上高/(通算課税期間中の課税売上高+通算課税期間中の非課税売上高)

調整対象固定資産の転用

課税業務用から非課税業務用に転用した場合

①次の3つの要件に該当する場合は、その転用までの期間に応じた「調整税額」を、その転用した日の属する課税期間の「本来の仕入れに係る消費税額」から控除する

その控除後の金額を、その転用した日の属する課税期間の「仕入れに係る消費税額」とみなす

【仕入れ等の課税期間の要件】仕入れ時

(1)課税事業者が「調整対象固定資産」の課税仕入れ若しくは特定課税仕入れ又は課税貨物の引き取りを行なっていたこと。(計算式で判定)

(2)その仕入れ等の課税期間において「調整対象固定資産の税額」につき、「個別対応方式」により「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」として税額計算を行なっていたこと

【転用した日の属する課税期間の要件】

(3)その調整対象固定資産を仕入れ等の日から3年以内に「その他の資産の譲渡等にのみ要するもの」に転用していること

②計算

(1)調整税額の計算

①調整対象税額

イ 課税仕入れに係る支払対価✖️7.8/110(※)

ロ 特定課税仕入れに係る支払対価✖️7.8%(※)

ハ 課税貨物に係る消費税額

②調整税額(3パターンに分かれる)

イ 仕入れ等の日から1年以内の転用の場合

  調整対象税額の全額

ロ 仕入れ等の日から1年を超え、2年以内の場合

  調整対象税額✖️ 2/3

ハ 仕入れ等の日から2年を超え、3年以内の転用の場合

  調整対象税額 ✖️ 1/3

※旧税率の場合はそれを使用する

(2)控除対象仕入税額の計算

①個別対応方式

②一括比例配分方式

③ ①と②の有利選択

④ 調整対象固定資産の判定

⑤ 調整対象税額の計算

⑥ 控除対象仕入税額

 ③ ー ⑤

(3)控除過大調整税額(課税資産用から非課税資産用に転用した場合にのみ適用)

調整の結果、「仕入れに係る消費税額」から控除しきれない金額は、課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなして、その転用した日の属する課税期間の「課税標準学に対する消費税額」に加算する

※なお、金額の記載は、申告書の「控除過大調整税額」の欄で行う。

非課税業務用から課税業務用に転用した場合

①次の3つの要件に該当する場合には、その転用までの期間に応じた「調整税額」を、その転用した日の属する課税期間の「本来の仕入れに係る消費税額」に加算する。その加算後の金額を、その転用した日の属する課税期間の「仕入れに係る消費税額とみなす。

【仕入れ等の課税期間の要件】

(1)課税事業者が、「調整対象固定資産」の課税仕入れ若しくは特定課税仕入れ又は課税貨物の引き取りを行なっていたこと。

(2)その仕入れ等の課税期間において「調整対象固定資産の税額」につき、「個別対応方式」により「その他の資産の譲渡等にのみ要するもの」として仕入れに係る消費税額がないこととしていたこと

【転用した日の属する課税期間の要件】

(3)その調整対象固定資産を仕入れ等の日から3年以内に「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に転用していること

②計算

(1)調整税額の計算

①調整対象税額

イ 課税仕入れに係る支払対価 ✖️ 7.8/110(※)

ロ 特定課税仕入れに係る支払対価 ✖️ 7.8%

ハ 課税貨物に係る消費税額

②調整税額

イ 仕入れ等の日から1年以内の転用の場合

 調整対象税額の全額

ロ 仕入れ等の日から1年を超え、2年以内の転用の場合

 調整対象税額 ✖️ 2/3

ハ 仕入れ等の日から2年を超え、3年以内の転用の場合

 調整対象税額 ✖️ 1/3

※旧税率の場合は、その税率

(2)控除対象仕入税額の計算

①個別対応方式

②一括比例配分方式

③①と②の有利選択

④調整対象固定資産の判定

⑤調整税額の計算

⑥控除対象仕入税額

 ③ + ⑤

控除過大調整税額

具体的な勘定科目としては「償却債権取立益」がある。貸倒れの処理と同様に、売上発生時に、課税していたかどうかに注意すること

売上げに係る対価の返還等に係る消費税額

売上げに係る対価の返還等の具体的範囲

No名称PLの表示場所備考
1売上返品売上からの直接控除項目
2売上値引売上からの直接控除項目
3売上割戻
売上からの直接控除項目
4売上割引営業外費用の項目課税資産の譲渡等に係る対価をその支払期日よりも前に支払いを受けたこと等を起因として支払うもの。一般的には売掛金等の一部を決済時に減額する場合が多い
5販売奨励金販売費の項目事業者が販売促進の目的で課税資産の販売数量、販売高等に応じて取引先に対して金銭で
支払うもの
リベート(売上割戻)と同義
6事業分量配当金

貸倒れに係る消費税額の計算

税額控除の処理をしないもの

次のものについては、消費税が課されていないため、「貸倒れに係る消費税額の控除」の処理は行わない

①輸出免税売上げに係る売掛債権の貸倒れ

②土地の売却に係る未収金の貸倒れ

③貸付金の貸倒れ

※売上げた時において課税されていたものについてのみ、処理をする必要があり、免税、非課税、不課税に係るものについては処理しない

差引税額又は控除不足還付税額の計算

中間納付税額の計算

納付税額又は中間納付還付税額の計算

終わりに

いかがだったでしょうか。皆さんの参考になれば幸いです。これからも一緒に勉強を頑張りましょう!

税理士試験の学習は、TACさん、大原さんに通う方が多いのではないかと思います。

定期的に通学したい方は、上記の予備校に通うのがおすすめです。

最近では、Web上のみで安価に学習を提供するサービスも存在します。

自分のペースを作って怠けずに学習できる方はそれらのサービスを使うのもおすすめです。以下、Web上での学習サービスで有名なSTUDYINGです。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

個人が主役の時代のキャリアについて、業務改善/テクノロジー、個人のあり方などを発信していきます。ミッションはこの世から雑務を撲滅し、人が活き活き活躍できる社会を作る事/業務改善コンサル、ビジネスアナリスト←ITリサーチャー←古民家農園運営で独立←市役所職員←Sler/2拠点居住/オフグリッドカフェ開業予定/G検定/IoT検定/RPAのWinActor講師